海より遠い地方では、海の食材を楽しむための知恵や工夫が古くから各地で発達し存在します。乾物や燻製、塩や酢〆あるいは発酵保存、焼き物流通。それぞれの素材の旨さを最大限に引き出す方法は、海の鮮度をそのまま味わえる地方から離れたところでも追及されてきました。
食材の鮮度を保つという最も重要な課題が流通技術の進歩によって解決されつつある現在も、料理人の鮮度を保つ努力や味への探求は留まる事はありません。
玄海の「イケス」での魚の提供や、「磯にぎり」の味わいは、料理人の味への思いが込められています。
「磯にぎり」は魚本来の旨みをあじわうために醤油ではなく「塩」でいただきます。この「塩」は粒子が細かく甘みの深いアンデスの岩塩を使用した玄海特選のもので、かぼすや檸檬汁を落とすことで、魚の旨みを最大限に引き出します。